ボイストレーナーのJUNです。
喋る時に苦しさを感じる、声が震える、特定の場面でだけ症状がでる…歌う時は平気なのに話す時だけ、または、その反対…などなど。
そういった事で仕事にも支障をきたしている人がいます。
目次
発声障害とは何か
定義として
音質、声の高さ、声の大きさ、発声努力などの変化により、コミュニケーションを損なう、あるいは声のQOLが低下すること
と言われています。
肉体的にも精神的にも悪影響を及ぼし、生活の質に影響が出る、声に関する様々な症状を指します。
原因不明の痙攣性発声障害
声の出し始めに躊躇したり、ちゃんと声を出そうとするほど、声が震えてしまい、声にならなくなったりします。
特に接客やコールセンター、教員など、声をしっかり出さなくてはというプレッシャーを感じる人ほど多いと言われています。
声が出ない事を理由に転職をする方もいると言われています。
痙攣性発声障害は音声障害の中のひとつの疾患であり、原因不明とされています。
自分の声に病名があるとは
私自身が、この痙攣性発声障害と長いあいだ格闘してきた1人でもあります。
こういう病名がある事を長いこと知りませんでした。
そのため、歌う事はもちろんのこと、喋る事が苦痛の時期もありました。
本来ですと、音声外来を受診し、聴覚訓練士によるリハビリを受けます。
また、ボツリヌス注射や声帯間へチタン挿入手術を行うそうですが、私はボイストレーニングを受ける事で改善され、現在は日常に支障を感じないため、ほぼ克服している状態といえます。
ボイトレでの改善の可能性
ボツリヌス注射や声帯へのチタン挿入などでは改善されない、あるいは部分的と言われる事が多く、治療法が確立されていないのが医療の状況です。
また、聴覚訓練士によるリハビリも一般的なボイストレーニングの延長のような事がメインのようです。
しかし、私が改善したのにも根拠があると考えています。
民間のボイトレスタジオでは、発声障害に特化した所はまだまだ少ない状況ですが、当スクールでは改善のトレーニングを行なっています。
ボツリヌス注射やチタン挿入などの治療より遥かに健全で本来の機能を回復させる可能性があると考えています。
機能性発声障害として位置づけ
声帯そのものにポリープや結節の疾患が無い場合の声の震えや滑舌の悪さなどは、機能性発声障害と位置付けトレーニングによって改善出来ると考えています。
ただし、結節やポリープは医師による適切な治療が必要です。
声に違和感がある場合は先ず声帯に異常がないか、耳鼻科や音声外来などで診てもらう必要があります。
声帯に異常が無い場合はトレーニングによって改善が見込まれます。
中でも痙攣性発声障害に多く見られる症状として大きく以下の3つが考えられます。
①呼吸の緊張〜腹筋や胸の緊張
②舌の過度な緊張
③顎の緊張
特に厄介なのが、舌の緊張です。
声を鳴らそうとするほど、声帯ではなく舌に力が入り、舌が喉に下がって声帯を圧迫します。
逆に腹筋に力を入れて声を出そうとする事により、舌は胸や腹筋と連動しているため、舌が奥に引っぱられて、声帯の働きを悪くするだけでなく、言葉の発音も悪くしている原因となっている場合があります。
舌を中心として声帯以外の身体の様々な場所が一体となって声帯の健全な働きを阻害しているのが、原因と考えています。
自分の声を聴かない方がいい
また、ちゃんと声を出さなきゃと思うあまり、自分の声を聞いた時に耳に声がしっかり聞こえる事によって安心感を得たい気持ちが、かえって声帯の閉じ方や息の量が過度になっている事も原因と考えられます。
声帯は適切に機能すれば力まなくても鳴ってくれるという感覚を身につけていく事が大切です。
ボイトレで行うこと
舌と喉頭の機能の分離を行います。
舌が適切な位置になる事、声帯が健全に働く事を目指します。
緊張を取り除くエクササイズと共に、声帯とその周辺の筋肉のバランスを良くするトレーニングを行い、特定の高さでないと声が出ないという不自由を取り除く事は心理的な負担も軽減され、同時に疲れにくい声も獲得出来ます。
私はこのトレーニングに可能性を感じています。
本来は歌のためのトレーニングですが、話す時の音声障害克服に応用出来ると考えています。
普通に話せるようになるだけでなく、疲れない喋り方にもなります。
声を出すこと、喋る事に対して意識せずに済むようになります。
大袈裟ではなく幸せ
私はある時期から症状を気にしてない事に気づいたとき、歌う事が楽しいと思えるようになったと同時に、人とのコミュニケーションに集中出来る事が当たり前になった事に幸せだなと感じた事を覚えています。
一番酷い時期は、カフェでコーヒー1杯を注文するだけでも声を出すのが苦しかったのですからそれが嘘のようです。
私の場合は、大学生ぐらいから声が震える事が気になり出しましたが、おそらく自分に合わない発声のレッスンを受けていた事が原因だったと思います。
周りからはもっと力抜いたら?と言われましたが、力を抜いて改善できなかったから苦しかったのです。
初めは歌う時だけだったのに、次第に話し声まで震えるようになった時は絶望感しかありませんでした。
自分の努力不足と思っていましたが、痙攣性発声障害という疾患だとわかって、救われたような気持ちになった事を覚えています。
人生が変わるボイトレ
ボイトレで人生が変わる。
良くも悪くもそれは確かです。
良い面も悪い面も経験したからこそ、安心安全なレッスンを提供したいと本気です。
ボイトレで人生が明るくなった。
そういうレッスンをしていきたいと日々スキルのアップデートを続けてます。