ボイストレーナーのJUNです。
練習するって上手くなるためですよね。
でも何をどうしたら良いかわからない…という人のために、1人で練習してて行き詰まった時の解決方法について考えてみたいと思います。
目次
練習は質か量か
スポーツの分野であれ、音楽の分野であれ、練習の質と量、どっちが大事かなどという話しがテーマになる事がありますね。
結論から言えば上達する上ではどちらも大事だと思います。
でも今回は、質について掘り下げてみたいと思います。
練習の質をあげるには
出来る事なら、なるべく最短の練習で効果を早くあげたい、と多くの人が思います。
特に歌の場合は、楽器のように連続して長時間歌うにはリスクもありますから、効率は大事です。
まず、大前提として練習の目的を明確にする事が大切なのは言うまでもありません。
何をどうすれば良いかがわからない時
上達をするためには、自分の目指すべき理想像がまずあって、なりたい歌声をイメージする事からスタートします。
この事については、また別の機会に詳しく述べていきたいと思いますが、料理をする時に何を作るか決めないで食材を切ったりしないのと同じだと思います。
実際の練習では、イメージに近づくために、何につまずいているのかの見当がつく事、つまずきを発見できる事が大切です。
これは、どれだけ様々な音楽を聴いてきたか、どんな風に聴いてきたかの経験値も問われるかもしれません。
何故なら知らない事を想像するのは難しいからです。
そして、声は中々にやっかいです。
まず自分の声が自分自身に聴こえる声と他人に聴こえる声が違う事に驚いた人も多いと思います。
何につまずいてるかを見極め、どう改善するか、的確にアシストするのがボイストレーナーの仕事でもありますから、どうしても行き詰まったら、ぜひレッスンでお手伝いしたいと思いますが、まずは自分の声を録音してわかる事も多くあると思います。
ぜひ自分の歌を録音して聴いてみる事から始める事をオススメします。
最初はガッカリしますが、慣れます。
自分で自分をレッスンする
ボイトレに通っていたとしても、最終的には、ある程度、自分で自分の声をコントロールできるようになる事は大切だと思います。
レッスンでの考え方とも共通していますが、つまずきがあり、その解決に取り組むとき、出来るだけ細かく分解できる事がひとつのポイントです。これが切断の考え方です。
切断できるものは切断する
発声のメカニズムをどう捉えるかによりますが、混同してしまいがちな事を少し例に挙げ、分けてみたいと思います。
喉頭と舌
声を出すには、声帯を鳴らす事が大切ですが、声帯を鳴らす事と舌に力を入れる事を混同している可能性、よくあります。
これを分ける練習を1人で行うのは中々難しいですが、分けるという認識をまず持つ事が大切です。
分けるための練習方法は別の機会に紹介していきます。
声と母音
声は声帯で作られますが、母音は口腔(口の中)で作られます。これも切断して考える事で声が自由になるポイントです。
口腔も共鳴しているという意味で声に関係していますが、声と母音という関係性で分ける視点がポイントです。
母音と子音
発音しにくい言葉がある時、母音と子音の組み合わせで、子音が言いにくいのか、母音が言いにくいのか、切断して考えると見えてくる場合があります。
有声子音と無声子音
さらに子音には、音程をつけられる有声子音と音程をつけられない無声子音があります。
有声子音にある音程が意識され定まる事で次に発する母音のクウォリティが格段に安定する事があります。
また表現のニュアンスにも大きく影響を与えます。
切断して改善する場所にピンポイントで取り組む
課題が発音なのか、高さなのか、分けます。そして、優先順位を決めます。
歌は声が無くては成り立ちません。
ですから声が安定して出せる事を優先し、その次に発音と考えるのが賢明です。
何より、声を優先すると発音も良くなる場合が多くあります。(もちろん発音を改善して声が良くなる場合もあり、それを見極めていく事もまた大切だったりします。)
声が発音に引っ張られて出しにくい場合(発声練習やある音を単独で出す時は上手く行くのに、繋げたり母音が変わると出来ない場合)ならば、先ずは引っ張られないようにするために、発音を曖昧にする、もしくは出しやすい母音や子音の組み合わせに置き換えて声を安定させてから、本来の言葉に段階的に寄せていく、という練習が出来ると思います。
細部が全体を決める
今回紹介したのはあくまで1つの例ですが、目指したいところへのつまずきの原因の発見と解決策を可能な限り切断できるところまで切断して導きだした練習を積み重ねるのが効率的になるのではないかと思います。
細部の改善が全体を大きく変えること、歌ではよくあります。
ぜひ試してみてください。