甲状披裂筋thyroarytenoid muscle(TA)は声帯そのものと言っていい部分です。この筋肉はいくつかの筋束で構成されており、それぞれの筋束は別々に緊張させたり、弛緩させる事ができます。一部は甲状軟骨の前内面から、一部は甲状軟骨と輪状軟骨の間の膜から起り、披裂軟骨に繋がっている。上下•前後•左右の方向で声帯を緊張させる事ができ、無限ともいえる変化をさせる事が可能となっています。以下に3つに分けて細かな説明をします。
甲状披裂筋を2つに分ける
外側甲状披裂筋
声帯の外側部分ですが、本来の機能として、食べ物が気管に入らないようにする役割があり、日常的に機能していると考えられています。
極低音を発声する時に機能していると考えられます。地声を出すメインの筋肉です。
内側甲状披裂筋
声帯の緊張を強める、地声を出す筋肉です。
特に中音域より上の音域、ミドルボイス、ミックスボイスを出す時に重要な機能を果たします。
対になっている声帯を接近させたり、厚さを調節すること、外側に向かって張る筋肉 輪状甲状筋に対して内側に働き弛緩させる作用ができ、そのバランスでミックスボイスが可能となるため、重要な役割りを果たしています。