ボイストレーナーのJUNです。
今回は声がこもることで悩む人のために、その原因と改善方法を紹介していきます。
過去にも同じようなテーマで書いていますが、その内容を踏まえて、よりシンプルで効果的な内容を紹介していきます。
声がこもると、ぼやけた感じであったり、暗く聞こえることになります。
声の通りが悪く聞き返されたり、大きい声が出しにくいといったことでも悩むことが多いと思います。
そんな方に共通することはなんでしょうか。
まずは原因から考えていきたいと思います。
声がこもる原因
声は息と共鳴と声帯の3つのバランスで成り立っています。
中でも共鳴は音色や声の通りに関係します。
共鳴はギターなら木製のボディの部分、トランペットならマウスピースより先から朝顔の部分が楽器の音色を決める部分となります。ギターらしい音、トランペットらしい音がそこで決まります。
人間の共鳴は咽頭(喉の中)と口腔(口の中)がメインで作られます。(声の音色や発音によって鼻腔も使われます。)
口の中は舌が大きく動きます。
舌は共鳴にとても大きな影響を与えます。
舌は、食べ物を飲み込むことを助ける役割があります。
飲み込む役割のある舌はそもそも声がこもりやすい位置となる傾向があります。
そして、中咽頭と下咽頭には食べ物をゴクンと飲み込む嚥下を促す筋肉がありますが、ここの硬さが強いと喉頭が埋まりこむようになり、これもこもった声の要因の一つになります。
すぐできる改善方法3選
簡単にできるエクササイズを3つ紹介します。
これはかなり一般的な内容で、効果は高いですが、全員に当てはまるとは限りません。
人それぞれの骨格や生活スタイルによる声の使い方や姿勢によって個人差があります。
効声に違和感を感じる人は練習を中止してください。
無理をせず、お気軽にご質問、お問い合わせください。
場合によっては直接お声を聴かせていただいた方が解決が早かったりします。
1、舌出し
舌を前に出すストレッチです。
舌を前に出したまま声を出した時に引っ込もうとする力が強い人は力みが強い傾向にあります。
引っ込むことなく、『あいうえお』の5つの母音を発音できるようにする練習は効果的です。
舌は複数の筋肉から成り立っていますが、横幅を変えることができます。横幅が狭い時は緊張が強い時で、反対に広い時はリラックスしています。
リラックスした状態を作ることも大切な要素となります。
また、下顎を親指で押してマッサージしてあげるのも効果的です。
2、咽頭収縮筋ストレッチ
口の中を直接触れないように気をつけつつ、指を入れていくと、『おえっ』と吐きそうになると思います。
これは咽頭反応と言いますが、咽頭反応は咽頭収縮筋のストレッチとなります。
やりすぎたり、気持ち悪くなるまで行わないように気をつけつつ、喉の奥をストレッチしていくようなつもりで、何度か行ってみてください。
そうすることで柔軟性が増し、声がこもる原因の咽頭の埋まり込みを改善できます。
咽頭収縮筋が硬くなってしまうのは自律神経の乱れと関係しているとされるため、心因的な関係も考えられている発声障害の方にもリラックスを促す効果のあるエクササイズとして有効です。
3、姿勢を改善する
声がこもる原因のもう一つは、喉頭の動きが不自由になっていることとの関係です。
喉頭は声帯が収まっている場所で、上下に自由に動けることが声の柔軟性に不可欠です。
自由に動けるようにするには、喉頭を四方に吊っている筋肉(引き上げたり、引き下げたりする)が自由に動く必要があります。
しかし姿勢が悪いとこれらが自由に働いてくれません。
そこでオススメの姿勢の取り方を紹介したいと思います。
出尻にして反り腰で肩甲骨を寄せるような姿勢を(お尻が大きく見えるアフリカ系アメリカ人達のような姿勢)とると喉頭が自由に動きやすくなるため結果声は自然になり出します。
私たちの日常は、パソコンやスマホを眺める時間が多く、姿勢が崩れている方がかなり多いです。
そのことで声が不自由になることもあるのです。
姿勢を整えることが発声を整える大きな土台となっていきます。
さいごに
声は目で見ることはできませんが、今回紹介したエクササイズは、鏡で見て確認できたり、感覚で掴みやすいものですので、比較的取り組みやすい内容となっています。
当スクールの実際のボイトレでも触れる内容です。
今回ご紹介したエクササイズは全員の人に必ず当てはまらない可能性もありますので、取り組んでも効果が得られない、あるいは気になる事がこういうこととは違うなど、個別の悩みがありましたら、お気軽にご相談くださいませ。
今回の記事の冒頭でもお伝えした通り、声はバランスで成り立っています。
声がこもってしまう原因は発声のバランスを整える事で解決します。
確実に解決していきたい場合は一時的にでも適切なトレーニングができるボイストレーナーのレッスンを受けることが近道となるので、レッスンの受講をオススメします。