ボイストレーナーのJUNです。
歌うことが好きな人の多くが高音に憧れを持ちます。
やはり、それだけ人間の高音には人を快感にさせる魅力があるのだと思います。
しかし、高音と一言で言っても人それぞれ指している声が違う可能性もありますね。
そのあたりも整理しつつ、魅力的な高音を出せるようにするために必要な要素を整理していきます。
目次
出したい高音はどれ?
いくつかの代表的な高音の種類を書き出してみます。
あなたが自分の声に欲しい高音はどれですか。
ミックスボイスの高音
地声から裏声まで切れ目なく繋がっているので、高音部分は地声とも裏声ともつかない質感で、音域全体に統一感もあり、明るく豊に響いて聴いていて気持ちの良い質感です。
いわゆるヘッドボイスと言われることもあります。
ホイッスルボイス
超高音です。
ここで書いている高音と言われる中でも最も高い音域です。
この音域で表現をつけるのはとても難しいと言えます。
裏声の高音
いわゆる合唱っぽい声ですね。
一見すると似て聴こえるオペラっぽい声より弱い質感です。
これをファルセットということが多いです。
パワフルな地声感ある高音
洋楽のシンガーに多いですが、強い感情的な表現に見られる質感です。
ボイトレ用語ではベルティングボイスと言われています。
地声要素を多く使っていますが、純粋な地声だけでは出せない声です。
オペラ的な高音
男性と女性で少し違いますが、共通するのは声量の大きさと、音を長く伸ばせること、オペラの中で良しとされている美的価値観に基づいた音色が特徴的ですね。
高音が出ない理由はどれ?
さて、出したい高音が上手く出せない場合、声にどんなエラーが起きているでしょうか。
地声で張り上げて苦しくなるパターン
まず張り上げるのをなくす練習が必要。
自分の話し声位の声量を基準にして低音から同じ声量をキープすることで、高音が出しやすい声帯の状態を作る必要があります。
地声や裏声の違いがわからないパターン
地声を裏声の違いがわかり、かつ分けて出せるようになる必要があります。
裏返って抜けてしまうパターン
裏声の声の質感に地声を寄せながら抜けない練習をしていく必要があります。
高音別に必要なトレーニング
高音別のトレーニングの概要を書いていきます。
声には個人差があるので、あくまで一般論ですので、参考にしてみてください。
ミックスボイスの高音
ミックスは地声と裏声のそれぞれを分けて出せる必要があります。
地声が抜けてしまう人は、地声が抜けてしまわない練習から始めます。
なぜなら地声が適切に出せないと、適切な裏声が出せないからです。
そして適切な裏声を段々と地声のような質感にしていきつつ、地声を裏声のような質感にしていき、つまりは地声と裏声の質感を揃えて境目を目立たせなくしていくような段階を踏んでいきます。
ホイッスルボイスの高音
ホイッスルボイスも地声が出せる必要があります。
そして、喉の締め付けを減らすために、ボーカルフライができると予備練習となります。
ボーカルフライは喉の締め付けを弛めつつ声帯を働きやすくする効果があります。
ボーカルフライは極低音ですが、その極低音の中に、ホイッスルボイスの芽が含まれているので、ボーカルフライができているととてつもない細い高音が瞬間的に出ることがあります。
慣れるとびっくりするくらい簡単に出せます。
でも歌唱で使えるようにするなら、ミックスボイスのトレーニングを地道に行っていった方が無理なくホイッスルも自然に身につきます。
裏声の高音
ここまでで既に書いている通り、まず地声が必須です。
力まずにしっかりした地声が出せないと裏声が苦しい感じになる可能性が高いです。
パワフルな地声感ある高音
地声感と書いている通り、純粋な地声で高音は声へのダメージが大きく危険を伴います。
純粋な地声だけでは枯れてしまいます。
土台はミックスボイスを先に作る方が断然素晴らしいパワフルな高音を手に入れやすいです。
リラックスさせるところと、本能的に瞬間的に叫ぶような要素が必要になってきます。
でも本能的なので、実は既に無意識にできている人もいるかもしれません。
オペラ的な高音
男性の場合と女性の場合で起きていることが違うのですが、それは共鳴のさせ方です。
喉や口の開け方で共鳴を作りますが、そのバランスを取るのが実は結構コツが必要です。
簡単にできてしまう人が稀にいますが、そういう人がプロのオペラ歌手になっていると言っても良いくらい、稀なことです。
この場合も、ミックスボイスからのトレーニングを推奨します。
私の経験からも正しくミックスボイスを身につけてからの方が、断然歌いやすくなりました。
実は高音出てるかも説
日常の中で思わずテンションが上がって声が出た時、高い声出てることが結構あります。
歌になると出ないんだよね。
という声が聴こえてきそうですが、歌も高音を出すには高いテンションが必要ですので、思わず自然にテンションが上がってついでに高音も出た、という体験は高音を出す時のイメージとして役立たせて見ると良いと思います。
トレーニングで高音獲得するには
出したい高音をいきなりトライする。
これで上手くいかないから悩んでいると思うので、ほとんどの人はいきなり高音をトライするのは効率的ではありません。
高音が上手くいかない原因は高音以外にあります。
ということは、いま出すことのできる音域の中に課題があるということです。
無理なく出せる高さのクオリティを上げることをしてみましょう。
高音は後から簡単に出るようになります。
とはいえ、独学は難しい。
そんな時は、ぜひ一度レッスンの体験に来てみてください。
ボイトレの中でも高音獲得は比較的簡単な課題です。
誰も教えてくれなかった答えが必ず見つかります。