ミックスボイスはどんな感覚?

どうも、ボイストレーナーのJUNです。

今回は、ミックスボイスはどんな感覚か、という事を記事にしてみました。

始めにお断りしておきたいことは、感覚の話しなので、人によって感じ方は違うということです。

ですので、私の感覚や他の方から聞いた感覚などをフワッとした感じで書いていきます。

ミックスボイスってどんな感覚?って気になった人にとって、参考程度になればと思います。

今回は練習方法に詳しくは触れませんが、途中で1つだけ感覚を掴む簡単な確認の仕方について書いてみました。

ミックスボイスの条件

まず、ミックスボイスが上手く出来ている時の条件があります。

それは、低音(地声)から高音(裏声)まで、同じ音色、同じ音量で、境目がなくスムーズに行き来ができることです。

流行の楽曲の多くにハイトーンボイスが求められている現代においては、これが身についていると確実に歌いやすさは変わります。

ミックスボイスは何のトレーニングもせず出来る人は少ないと思います。

ですが、話し声が比較的に軽めだったり高めな人は、あまり苦労せず近い声を出せる傾向があります。

ミックスボイスに近い声というのは、低音から高音まで完全に一本に繋がっていなくても芯のある声で高音が楽に出る場合です。

ミックスボイスが難しいタイプという人もいて、男性の場合は喉仏がしっかり出ている人は、声が太く低めな傾向で、そういう方にとっては苦労するかもしれません。

ミックスボイスが出来る人は地声から裏声の間を自由に行き来出来るため、それぞれの質感を近くすることが出来ます。

つまり、地声は裏声に近い柔らかさ、裏声は地声に近い芯を持った質感でも出す事ができます。

ミックスボイスのチェック方法

ここで試したい事があります。

裏声の低い方の音域(男性はD4あたり、女性はG4あたり)で、声を伸ばしながら音量を上げていきます。大きくしていく過程で地声にスムーズに切り替える事ができる人はミックスボイスの素地があります。

ガクッとハッキリと地声に変わる人は地声のコントロールが出来ていない可能性があり、ある程度の時間をかけてミックスボイスを掴むトレーニングの必要があるといえます。

ミックスボイスの感覚を確認する簡単な方法

逆に同じ高さ(男性はD4あたり、女性はG4あたり)でしっかりめの地声を出して伸ばしながら、段々と小さくしてみてください。

限りなく裏声に近いところまで小さくできるでしょうか。

限りなく裏声に近い小さな声の感じ、これがミックスボイスの状態の声帯の感覚といえます。

これは、ミックスボイスの練習として、初歩の人からかなりの上級者まで有効な練習方法でもあります。

音量や息の量を調節出来ることが、声帯の厚さを柔軟に出来ることであり、それがミックスボイスの習得に必要になってきます。

トレーニングの考え方のヒントとしては、ミックスボイスは細い声から作っていくのが近道と言えます。

ミックスボイスしか出せなくなる?

ミックスボイスが完成されている人は、広い音域で裏声っぽくも地声っぽくも出す事が出来ます。

ミックスボイスができていると、例えば柔らかい声しか出せない、といった制限はありませんし、力強い地声も柔らかな裏声も出せます。

表現としてわざとひっくり返すことだってできます。

まさしく自由な声といえます。

ミックスが上手く出来ていると、出している声が地声か裏声か気にならなくなり、B♭4前後は地声的な質感でも裏声を出している感覚に近いという方が多いです。

質感と書きましたが、地声を出すのに必要な声帯の働きは関与してますが、ごく僅かと言えます。

かなり軽い質感でも出せるため、細かい音の動き、フェイクなんかも機敏な音の動きが可能と言えます。

ミックスボイスの副産物として、正しいバランスのとれたミックスは、声量そのものが大きくなくても豊かに聴こえます。

マイクにのせた時に顕著にあらわれますが、実際の声量が必ずしも大きくなくても存在感のある声質に聴こえます。

また、トレーニングの途中でミックスが完全されていなくても、歌いやすさは進化していきます。

ここまで聴くとミックスボイスを習得しない選択肢は無いですね。

ミックスボイスはシンガー必須か

しかし、音楽という面で見たとき、ミックスボイスで綺麗な高音が出せなかったとしても、魅力的な歌を歌うこともできます。

プロのシンガーでもそういう方は実際にいます。

最後の最後にそんなオチか、と思われるかもしれません…

というのも、ミックスボイスを身につけるのは時間のかかる作業だからです。

数年単位の長いスパンで少しずつ進化させていこう、という気持ちで取り組む方が長く歌い続ける上では良いと思います。

なので、明日カラオケでミックスボイス出したい…みたいなのは難しいかもしれませんので、キーを下げる、あるいは超絶高音が出てくるみたいな曲は避けて歌う方がカッコよく聴かせるには賢明かもしれません。

さいごに

いかがでしたか。

ミックスボイスは、自分で出来ているか判断が難しく、正しく身につけるとなると独学では難しいのが現実です。

ボイトレの中でも多くの人にとって難易度高めです。

しかし、ミックスボイスは歌が上手くなる上の核にもなります。

一方で、ミックスボイスが全てではない、ということは先に述べた通りです。

発声が正しいことと、歌が上手いことは必ずしもイコールではないです。

そして、歌が上手くなることと、歌を楽しく歌うことは、近い関係にありますが、楽しみながら上手くなる、ということが歌唱力アップには大切かもしれませんね。

ぜひ楽しみながら試して見てください。

ボイストレーナー JUN

声に何度も泣かされた過去を持ち
生徒と心から歌う喜びを共有する日々

大手の音楽教室で講師経験後に独立。
入会率と継続率の高い優秀講師としてレッスン手法をセミナーで紹介される。
中学・高校の音楽科教員の経験からレッスンのわかりやすさというところでの評価を受けている。
これまでに、現役シンガー、ボイストレーナー、音大生(音大入試)、オーディション対策など、数多くの人数を指導。また企業からの依頼を受けアーティスト育成も行っている。

レッスンしてきたことのあるジャンル:
J-POP・洋楽・PopRock・ミュージカル・
Classic・民謡(発声指導のみ)

東京都言語聴覚士会準会員・中学高等学校音楽科一種免許保有
修了講義:”Belting &Effect” ”Motor Lerning Theory in Vocaltraning” “Classical Singing” “Collaborative work with Vocal coach and SLP”

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