どうも。ボイストレーナーのJUNです。
これを読まれている方の中には、声の印象を良くしたいと思っている方が多いと思います。
特に人と話すとき、どうやったら言葉が上手く伝わるだろうか、聞き返されたりしないようにハキハキ喋りたい、と思ってる方も多いと思います。
今日は、その原因として考えられることと、解決方法をお伝えします。
まず、ハキハキ話すには口をしっかり動かしたほうが良いと思われている方が多くいると思いますが、結論から言うと、それはおすすめできません。
口の中は、声の通りやすさを決定する共鳴の役割を持っているからです。
共鳴は、楽器でわかりやすく例えるとギターの木の箱の部分(ボディ)や、トランペットの吹き口より先に向かって伸びている朝顔のような形になっている部分です。
ちょっと想像してみてください。
もし、ギターのボディや、トランペットの朝顔の部分が音を出している途中で変形したらどうなりますか。
音色や音程が変わったりして、とても不安定になると思います。
人間の声も同じで、口の空間が何かを発音する度に大きく変わることは、声にとってストレスとなります。
もっというと、それが顎や舌の力みにつながりハキハキとした印象で話す上での悪循環となる可能性もあります。
実際は全く動かさないわけには行きませんが、なるべく発音する上でのストレスがないほうが声の通りは良くなり、発音も明瞭に聞こえやすくなると言うことは覚えておきたいことです。
声と言葉
当たり前ですが話すときは声を使う必要があります。
声の元となる原音は主に喉仏の中にある声帯で作られます。
そして言葉は口の中で作られます。
言葉は声帯の原音が鳴ってなくても話すことができます。
例えば、ヒソヒソ話す時はほとんど鳴っていません。
しかし、通る声で話す時は声帯からの原音がなるべくスムーズに鳴っていたいです。
ですので、声の鳴り方を悪くしてしまう動きは取り除いてあげたいです。
声帯から出た原音は口の中で加工されて初めて言葉として認識されます。
この加工の効率が悪いと共鳴が悪いので声の通りが悪い、もしくは発音が明瞭に聴こえにくいと言うことが起こると思います。
では何を気をつければ良いかと言うと、口の開け方と、舌の使い方です。
口の開け方
このブログの始めの方で口を動かしすぎないほうが良いとお伝えしましたが、それは口を開けないことではないです。
ややこしくなるので先に基準を示すと、上下の歯で親指を(縦でも横でも)加えた時くらいの開き具合を基準にしておきたいです。
親指をくわえながら『ががががが〜』と言ってみてください。
『が』は声帯が自然に鳴りやすい言葉ですので地声を豊かに出す発声練習としてもおすすめです。
そのまま親指をくわえたまま、他の言葉を話してみてください。
『こんにちは』とかなんでも良いです。
親指をくわえたままでは発音が難しい言葉もありますが、くわえたままでもなるべく普通に話すようにしてみてください。
ポイントは口の中は親指をくわえるくらいの空間を保ちながら、言葉によって口の中の広さを変えず一定に保たれていることです。
これが声の安定につながり、結果として明瞭でハキハキした印象になっていきます。
シンプルですが、これらの練習は1人で行う内容としては比較的に安全かつ効果的です。
舌の使い方
もう一つは舌の問題です。
口は大きく動かさないほうが良い(≠口を開けないと言うことではない)と言いましたが、その代わり舌は柔軟に動かせるようにしておきたいです。
舌は力みが強かったり、動きが弱いと口の奥に引っ込む傾向があり、それがこもったような声に聞こえる原因にもなります。
そこでおすすめのチェック方法を紹介したいと思います。
舌先を下唇に触れるくらい前に出したままで、『かきくけこ』と言ってみてください。
普通に発音しているくらいの感覚でいえるのが理想です。
もし、『かきくけこ』と言いながら後ろに引っ込もうとする力が強い場合は、力みが強く声の明瞭さを妨げている可能性が高いです。
その場合は舌がガクガク動かずに発音できるように鏡を見ながら根気強く取り組んでみてください。
ちょっとずつ変化を感じると思います。
舌は前に出したまま話しても言葉が成立するくらい自由にできるとそれだけでも明瞭度は上がります。
応用編 下顎を動かさずに話す 舌と口の両方をトレーニング
口の開け具合と舌の自由度を高めるトレーニングをしたら、今度はそれらを組み合わせたトレーニングを行います。
下顎をだらんと下げて手で押さえてます。
下顎がガクガク動かないように、舌だけを動かして『ラララララ』といいます。下顎が一緒にくっついてくる場合は、言葉が明瞭に聞こえにくい一因になってるかもしれません。
これも鏡を見ながら、ゆっくり舌を動かしながら取り組んでいくと効果的です。
おわりに
いかがでしたか。
言葉を聞き返されたり、声に自信がないと、それだけで損をしてしまうこともあるかもしれません。
今回紹介したトレーニングはどれもシンプルですが、継続する中で、その精度を上げていくと声や言葉が明瞭になってくると思います。
自分の声の問題が、ここに書いたことに当てはまらない、あるいは取り組んだけど中々変化しない、という場合は他に解決策があるかも知れません。
今回の内容は多くの人に無理なく出来る内容ですが、当スクールではよりあなたにカスタマイズした解決策をトレーニングすることができます。
ご自身の声や喋り方に気になることがある場合は、遠慮なくお問い合わせくださいね。