ボイストレーナーのJUNです。
今回は声が揺れたり震える原因とその解決策について書いてみました。
特に今回はボイトレなどによって改善はされてきているけど、それでもまだ残っていて気になるというような場合において考えられることも書いてみました。
基本的な考え方の確認をしつつ、症状をほぼ目立たなくするまでについて触れていきます。
目次
思うようにならない辛さ
自分なりに努力をしているもののどうにもならない。
気になると落ち込みもしますよね。
そう、ちょっとメンタルにまで影響を与えることもあるんじゃないでしょうか。
その気持ち痛いほどわかります。
なぜなら私もその経験をしているからです。
でも克服もしているので、声が自由なことの喜びも経験しています。
今は声がどうにもならないくらい不自由だった時の感覚を思い出せなくなるくらい自由ですが
こうやって記事を書くことで、その時の気持ちは忘れずにいたいなと思っています。
解決するために必要なプロセス
さて、解決していくために必要なことはなんでしょうか。
①原因が何かわかること
②その原因に対しての解決策がわかること
③解決策を正しく取り組めること
この3つが根本解決に必要なこととなります。
これらは自力で見つけることは相当に難しいのですが、当スクールは多くの生徒さんをトレーニングしてきた経験と先端のトレーニングを常に取り入れていることで、トレーナー自身の経験だけに頼らない豊富なスキルがあります。
ここでは、そういった経験とスキルから基本的な考え方とエクササイズを紹介していきます。
声のタイプを分類
まず人間の声はいくつかのタイプに分類することができます。
①地声がしっかりしていて高音に向かって張りあげるタイプ
②地声が弱い、息っぽい、息が続かないような声のタイプ
③地声から裏声に抵抗なく裏返るタイプ
④地声から裏声まで境目なく音量が変わらず移行できるタイプ
①〜④までの中で声が揺れたり震える方に1番多いタイプは①です。
そして一番ストレスなく声が出せるのは④でいわゆるミックスボイスの状態です。
これらのタイプは基本的に筋肉(主に声帯とその周辺)と息のパワーバランスによって決まると考えられています。
ミックスの時は、息と筋肉のパワーバランスが程よく取れている状態と言え、声を出すことへのストレスは他の3つのタイプの方に比べて少ないと言えます。
地声を張り上げてしまうタイプは筋肉が息よりも優勢で
声が息っぽくなってしまう場合は、筋肉よりも息が優勢と考えられます。
このバランスを適切にしていくのがボイトレです。
揺れやすい、震えやすい声帯の合わせ方
声が揺れる、震えるはどういう状態から起きているのか。
もちろん、揺れ方、震え方は様々です。
よくオペラ歌手で太い声を出している人の中に、大きく揺れるようなビブラートになる人がいます。
そういう声の場合は音程の不安定さもセットになっています。
声帯は分厚くしっかり合わせすぎると声の柔軟性は損なわれ規則的なビブラートをかけるのが難しいとされています。
ビブラートが規則的かどうかは健康的な発声のバロメーターと言えます。
これらのことからわかるように声帯を分厚く合わせて息をしっかり吐くと大きな声は出ますがそれだけで対処するとデメリットの方が多いと言えます。
誤解のないように補足しておくと、分厚く合わせるのが悪いわけではなく声が揺れたり震える方の多くの原因が分厚く合わせすぎているためです。
前述した別のタイプの声の方は逆にしっかり声帯を合わせる事が必要だったりしますが、その場合は声の揺れとは違う別の問題があったりします。
声の大きさは、息と共鳴と声帯の三つのバランスで作っていくのが健全なので、声帯を分厚く合わせて作る大きな声はそれだけを出し続けていると、車でいう低速ギアでずっと運転するようなものでエンジン(声帯)に負担です。
この状態が声の揺れや震えの原因の一つになります。
ミックスボイスはギアチェンジをオートマティックにできるような状態です。
最初はギアチェンジを意識してトレーニングすることはあっても、ある段階から意識する必要がなくなっていきます。
痙攣性発声障害の方は、裏声の練習やミックスボイスの練習を音声治療で入れることが一般的です。
声帯を過剰に閉じ過ぎることと、息がはけていないことが、震えの原因の一つになっていると考えられます。
ミックスボイスで改善されるけれど・・・
しかし、ミックスボイスの習得が有効ということで細い声を出せるようになってきても震えが改善されないことがあります。
ミックスは声を一度細く出せるようにしてからのほうが効率良く習得できますが、細く出すために息の量も少なくします。
そのことによってミックスが起こるようになっても震えが改善されない場合、今度は息の量を少なくし過ぎている可能性も考えられます。
これは微妙な問題でボイストレーナーの判断が必要になってきますが、特に過緊張傾向、力み癖のある人はミックスが出せるような柔軟性が声に出てきたら、今度は息を吐くことへシフトさせる必要があります。
過剰な力みで揺れや震えが起こる場合、まずは舌、胸、首、腹筋、肩、の過緊張を改善させていき、ミックスボイスも並行してトレーニングしていきますが、それでもまだ症状が残っている場合、声帯の閉じ具合と息の量がより適切か調整していく必要があります。
発声障害におけるミックスボイスの利点
ミックスが身につくと良い点がいくつかあります。
声の揺れや震えが改善されると同時に、シンガーズフォルマントと言って声量そのものがなくても声が豊かで通りが良くなります。
その上でもちろん声を張りやすくもなり声量もでます。
また、特定の高さに限定せず自由に話せるため、そのことが声帯の疲労を軽減してくれます。
もちろん歌う上でも大きな影響を与えます。
そのため、まずはミックスボイスを身につけるトレーニングが良いと考えますが、ミックスの習得過程でも声に変化は現れます。
前述した通りその段階によって息の量を考えたり、適切な声帯の閉じ具合をちょっとずつマイナーチェンジしていくことが大切です。
根気よく、あるいは気長にトレーニングを継続するとその変化を実感します。
息と声帯のバランスを適切にするトレーニング
自己判断で息と声帯のバランスを考えるのは難しいです。
ですが、1人でもできるバランスを整えるエクササイズがあります。
ストローを使ったエクササイズが安全でおすすめです。
通常のストローより少し細めなカクテルストローがベストですが、手に入れられない場合は、普通のストローを噛んで潰して細くします。
鼻を摘んで、ストローを上下の歯で軽く噛んで、頬を膨らましながら息を吐いていきます。その状態で消防車のサイレンのように、地声から裏声まで音程をスライドさせていきます。
音階をつけてみても良いです。
耳がボコッと音がしてしまう場合は適切でないため無理に行わないでください。
これは声の疲労を回復させたりミックスボイスの習得など様々なことに効果が期待できるトレーニングです。
声が自由になって心も自由に!
いかがでしたか。
声の揺れや震えについての考察と改善方法を紹介しました。
改善するには根気のいる作業の場合もあります。
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