良いボイストレーナーとは

ボイストレーナーのJUNです。

この記事では、ボイストレーナーのスキルについて書いてみました。

よく、ボイストレーナーと相性が合う合わない、といった話しを聞きます。

私自身も自分のボイストレーナーを探すことにとても苦労した一人でもあります。

世の中にボイストレーナーは沢山いるのに、です。

それはなぜか。

様々な理由があると思いますが、中でも今回は特にレッスン内容に関して詳しく考えていきたいと思います。

生徒の努力不足なのか

まずはじめに大前提としてレッスンを受ける生徒さんの心構えみたいなものについて触れておこうと思います。

レッスンを通してどうなりたいか、それが明確なほど上達は早いといえます。

そして、それを叶えてくれるトレーナーであるかどうか。

それは、習い始める前の体験レッスンの段階で確かめることが出来ます。

しかし、その時点で判断が出来れば良いのですが、実際にレッスンをはじめてみてから、なんだか変化がないと感じながらもレッスンを続けているという場合もあるかもしれません。

納得してレッスンを受けていれば問題はないですが、先生から与えられた課題に取り組んでいるのに何ヶ月たっても変化がない、その説明もないとなると少し考えた方がいいかもしれません。

真面目な生徒さんであれば、自分の努力不足と思うかもしれません。

しかし、努力の方向が違ったとしたら…

トレーナーが示す方向が違ってたとしたら。

それを生徒自身で判断するのは難しいといえるでしょう。

ボイストレーナーの資格

少し乱暴な言い方ですが、何か資格がなくても自身がボイストレーナーだと名乗りさえすればレッスンすることは誰でも出来ます。

現実はどうかといえば、ボイストレーナーは様々なスキルを必要とします。

力あるボイストレーナーは発声に関する知識、音楽的な知識と能力、語学や言語に対する知識、指導者としてのコーチング力、デモンストレーションが出来る歌唱力…これらを身につけ、絶えずスキルアップを重ねています。

中でも発声に関する知識だけを取り上げてみても、解剖学、音声学、音響学、といった知識が必要になってきます。

解剖学は身体の作りや仕組みに関する知識です。

特に声に関する事でいうと声帯周辺を中心とした骨格と筋肉や神経の働きについて重要になってきます。

音声学は音声がどのように作られどのように伝わるのかに関する知識です。

声を出す時の物理的な運動として起こっていることに関する事柄です。

音響学は発声に関連した部分でいうと音声学と切り離せない関係で、音声で起きていることを分析的に捉えるための知識です。

しかし、これらの知識があるだけではボイストレーナーとしてレッスンは成り立ちません。

ここまで読んでお気づきかもしれませんがレッスンで行うのはトレーニングであり、トレーニング内容についてはこれらには含まれていないためです。

これらをもとにしたトレーニングが具体的にどんなものであるか、そして生徒にあった形で適切に取り組めているのか。

ここがレッスンで最も重要となります。

ボイストレーナーが研究者並みに解剖学や音声学に対する豊富な知識があったとしても、それはトレーニング内容の正しさを裏付けるための拠り所でしかなく、トレーニング内容が的確でなければ、それらの知識はなんの意味も成しません。

生徒の望みを叶えてくれるか

生徒が望むことが何か、それを叶えるための課題がどんなことで、トレーニング内容がどんな意味を持ち、どう取り組むことが必要なのか、生徒のパフォーマンスが向上していくための誘導を適切に出来ることこそが、もっとも必要になってきます。

その判断力とそれに対する解決のための豊富な引き出し。

これこそが、本や動画では得られない、レッスンでのみ出来ることです。

そして、それは生徒1人1人のタイプに合わせて完全にカスタマイズされていますし、そうあるべきなのです。

出てくる声が全て

例えばボイストレーナーが解剖実習に参加した、という経験はトレーニング内容を裏付け整理するためには素晴らしいことです。

しかし、出てくる声が全てです。

出てきた声をどうジャッジしどんな方法でより良くするか。

ここをわかりやすく教え導いてくれるトレーナーに出会えたら、目標を持つ生徒にとっては幸せだと思います。

ボイトレ難民を生む元凶

トレーナーと相性が合う合わないを作ってしまう可能性として考えられることがあります。

それは、トレーナー自身の声の特質によって、偏ったトレーニング内容となっていないかどうかということです。

ボイストレーナーの合う合わないを生む原因としてトレーナー自身の経験を中心にレッスンを行っている可能性が考えられます。

もちろん、性格的な相性などもあります。

しかし、レッスン内容だけを見ていくと、例えば自身が力みの強かったトレーナーは脱力を推奨し、声が弱々しかったトレーナーは声をしっかり出すことを教える。

生徒がトレーナーと同じタイプならば上手く行くが、タイプが違うなら一向に上手くいかない。

そんな不幸が往々にしてあります。

良いトレーナーは、自身の経験のみに拠らないトレーニングをしてくれるはずです。

わからない事は遠慮なく質問

生徒さんにとってレッスンはトレーナーの指示にしたがって受けるものかもしれません。

実際、指示に従ってトレーニングした方が効率は良いことがほとんどです。

しかし、感覚的であれ、論理的であれ、自身の声を理解し変化をキャッチしていこうとする積極的な気持ちを持つ中で、疑問もわいてくるに違いありません。

そんなとき、その疑問を積極的にトレーナーにぶつけてみることをおすすめします。

そのコミュニケーションの中で、トレーナーのスキルが見えてくるかもしれません。

素敵なトレーナーと出会い、ボイトレのレッスンが自分自身にとって最高に価値ある時間としていきたいですね。

ボイストレーナー JUN

声に何度も泣かされた過去を持ち
生徒と心から歌う喜びを共有する日々

大手の音楽教室で講師経験後に独立。
入会率と継続率の高い優秀講師としてレッスン手法をセミナーで紹介される。
中学・高校の音楽科教員の経験からレッスンのわかりやすさというところでの評価を受けている。
これまでに、現役シンガー、ボイストレーナー、音大生(音大入試)、オーディション対策など、数多くの人数を指導。また企業からの依頼を受けアーティスト育成も行っている。

レッスンしてきたことのあるジャンル:
J-POP・洋楽・PopRock・ミュージカル・
Classic・民謡(発声指導のみ)

東京都言語聴覚士会準会員・中学高等学校音楽科一種免許保有
修了講義:”Belting &Effect” ”Motor Lerning Theory in Vocaltraning” “Classical Singing” “Collaborative work with Vocal coach and SLP”

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