ボイストレーナーのJUNです。
今回は、主に歌う上での悩みとして、声が張りにくい、声が揺れる、声が詰まる、といった言った事が、音域(高さ)によって起こる人に向けて書いてみたいと思います。
私自身がミックス習得過程で経験したことでもありますが、考えられる問題や解決策からいくつか紹介します。
目次
中音域が出しにくい
中音域から降りる時に低音域が出しにくい、あるいは、低音域から中音域に上がるのが不安定で、高音になるとまぁまぁ安定する、という場合があります。
特にこれらの原因と対策について書いていきます。
中音域の声のひっくり返りについては下記の記事を参考にしてください。
声のひっくり返りを治すには声全体の安定に欠かせない低音域の重要性
発声トレーニングは、中音域から高音域にかけてに目が向きがちですが、実は歌ではあまり使われる事のない低音域が不安定だと、中音域が揺らぐ可能性があります。
喋り声のままで音程をつけて歌うのが苦手な場合は、低音域の発声の要素が無いまま歌っている事が不安定の要因になってる可能性が高いです。
よくあるのが、音域を広げたいからと、高音域の練習ばかりしていると、高音域が出るようにはなるけど、中音域が不安定になる事です。
しかも、これを改善すると、高音も安定感が増します。
舌に過剰な力が働いてる可能性
高音を力強く出したい、あるいは音域を広げたいと、負荷が高めなトレーニングばかりしていると(負荷が必要な場合があると思います。)舌の力みが強くなって声帯の働きを妨げるため、本来力む必要がないのに、余計に力んでしまう事があります。
それでも声帯が機能していれば、力みは次第に改善される事はありますが、声帯が上手く働いてない場合は、力みを取り除く練習も行う必要があると思います。
自分の喋り声を把握するためのトレーニング方法
まず、親指をたての状態にして歯でくわえます。
そのまま『えあえあえあ〜』と喋り声として出します。
この時に出た声が自分のニュートラルな喋り声と思ってください。
その高さから『ドレミファソファミレド』の音階でかまいませんので、『えあえあえあ』と喋り声のまま音階をつけていきます。
そのまま高音までいけるのが望ましいですが、先ずは無理のない音域で良いと思います。
大切なことは、しゃべってる延長に音程がつく感覚です。
これは、歌のジャンルや性別に関わらず、必ずできた方がいいです。
注意したいのが、音を上がっていくと母音が喋り声で出してる時と変わっていく可能性がある事です。
母音『ア』の発音記号が『ɑ』だったとして、これが高さによって『æ』や『ɔ』になってしまうといったらイメージがつきやすいでしょうか。
もちろん、ブリッジ、パッサッジョなどといって、母音の調整が必要な箇所があるのも事実です。
そういった事を考慮しつつも、中音域から高音域の過程も基本的には同じと考えた方がいいと思います。
今回のテーマである中音域の安定に注目すると、先ずは低音域から中音域までは少なくとも、喋る延長で母音も一定に出来ている事を基準にする事が解決に繋がります。
顎と舌の脱力トレーニング
高音域の練習や、声を張る事に意識が行ってる可能性がある場合は、舌や顎を弛める事を行ってみるといいと思います。
親指を上の歯に押し当てると、舌と下顎は緩みやすくなります。
その状態で口の中に温かい息が当たるように息を吐きます。
すると、おそらくは舌や下顎の力が抜ける感覚が掴めると思います。
この状態で、やはり喋り声を確認するトレーニングと同じような要領で取り組む事をおすすめします。
これも、安全に出来て、基礎として取り組みたい内容です。
喋り声くらいの大きさで良いので、自宅でも取り組めます。
毎日2、3分でも継続して取り組むと変化を感じると思います。
曲の中で応用する
不安定になる音域で、親指をくわえたまま歌ってみてください。
喋る感覚や舌の弛みはわかりにくいかもしれませんが、顎の動きは変わらないために、比較的に声帯周辺が働かざるをえない状況になります。
その事によって、指を外したあとに喋る感覚の延長での安定感を掴みやすいと思います。
指をはずして普通に歌ってみでください。
その変化を感じる事が出来ると思います。
かたよりは危険
いかがでしたが。
中音域の不安定で悩む方は意外といるのではないかと思います。
特にミックスボイスを意識してトレーニングしていると、声は軽くなってきたけど、不安定になる、なんて事も起こりえると思います。
せっかく声が軽くなって、高音も出るようになってきたのに、低音を出すのが抵抗がある、なんていう人もいるかもしれません。
しかし、曲では、ずっと高音を出し続けるわけではなく、むしろ中音域や低音域の部分もあります。
どの高さも魅力的に聴かせられるのは、声に偏りがないからこそです。
トレーニングは、どんな目的であっても、バランスが大事です。
偏り続けた事を行うと知らず知らずのうちにバランスを崩します。
崩した事に気づいてから戻すのは、ちょっと厄介な事もあるので、バランスを忘れずに練習することが鍵です。
安定している声は、イコールバランスが良い状態を指します。
バランスが良いとは、①息の量、②声帯の働き、③共鳴、の3つのバランスを指します。
とはいえ、人それぞれ良いバランスはさまざまです。
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