ボイストレーナーのJUNです。
日常の会話で、よく聞き返される、声に芯がない、スカスカする、通りにくい、と感じていることはありませんか。
声はコミュニケーションを取っていく上で欠かせないため、日常的な悩みとなることが多いと思います。
歌う人にとっては、大好きな歌が思った通りに歌えないこともまた悩みになっているのではと思います。
そんなあなたに少しでもヒントになることを書いてみました。
後半に簡単にできるエクササイズも紹介してありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
声に芯がない、声がスカスカする、声が通らない、に共通する原因
大きく分けて、2つの原因が考えられます。
身体の不調もしくは発声の問題です。
ここでは主に発声の問題について触れていきますが、先に身体の不調について書いています。
身体の不調
身体のどこかに疾患があり、それが原因となる場合があります。
喉そのものに疾患があるとすれば、ポリープや結節、腫瘍といった事が考えられます。
私は医師ではないので、この事に関しての詳しい解説は出来ませんが、こういった場合は放置すると日を追うごとに悪化していくのは確かです。
その心配がある場合は、医師の診察を受け、適切な治療を行ってください。
もし、大きな疾患が無かったとしても、日常生活で、パソコンなどで事務作業が多く肩や首の凝りがひどいために緊張が強いといった影響から声の不調に結びつく場合も考えられます。
その場合は自宅でストレッチを行う、またマッサージや鍼灸の施術を受けるなどで改善が期待出来ます。
声帯が機能していない
もうひとつは、この記事のテーマである発声の問題の可能性です。
声帯は2枚で一対のヒダのようなもので喉仏の中にあります。
声を出す時は、主に声帯が働き、その周囲の筋肉が声帯の働きをサポートをしています。
それらが、全て万遍なく機能すれば、声帯の厚さ、長さ、閉じ方などが無限とも言える段階の調整を可能にし、音量や音程、音色を自由にあらゆる声を出す事が出来ます。
私たちの日常会話では、声帯とそれをサポートする筋肉は、部分的な使い方をしています。
言語でのコミュニケーションはそれで成り立つからですね。
しかし、この使い方に偏りが大きいと声の不調となって現れます。
声帯は痛みを感じない
声帯の使い方に無理があっても、声帯そのものは痛覚がないため、痛みを感じません。
声を使いすぎて喉が痛いと感じるのは、声帯ではなく、その周辺です。
そのため、喉は痛くないのに、声が変という事はありえます。
声帯が機能していないとは
声の芯がない、スカスカ、通らないに共通するのは、声帯の閉じ方、共鳴の使い方に問題があると考えられます。
声帯同士が閉じ気味になっていても、その面が少ない(薄い)と声が弱々しくなります。
この判断は自分では難しいと思います。
わからなくても問題ありません。
わからなかったとしても改善出来るエクササイズを最後に紹介します。
また、閉じ方が弱く、吐く息が多いと鼻声っぽくなる人もいます。
鼻声は基本的に共鳴が良くない状態です。
喉頭の位置や舌の位置が適切でないために共鳴が悪い可能性もあります。
聞き返される原因
さて、聞き返される原因として、声帯の働きが弱い可能性は声に芯がなかったり、スカスカしている人と共通していますが、それに加えて舌の位置と働きに偏りがある人も多いと考えられます。
と言いますかほとんどの人が当てはまります!!
特に発音しにくい言葉なんかがある場合は、舌の位置の問題が大きいと考えて間違いないと思います。
直ぐに改善!?試したいこと
舌の位置や喉頭の位置を操作するというのは難しいです。
しかしです。
適切な位置になってない原因から、たった一つ直ぐに出来る事があります。
それは
姿勢です。
なーんだ、と思った、これを読んでいるあなた。
姿勢はあなどれないのです。
喉は舌骨といって、身体の中で唯一軟骨で繋がってない、宙に浮いたような骨があります。
身体の健康を守るために様々な働きをしています。
この舌骨は、四方に筋肉で引っ張られるようにしてその位置に存在しています。
この舌骨は舌や喉といった声を出す事に関係がありますが、四方にバランス良く引っ張られている事で、どこかに固定される事なく、自由に動けるようにしてある事が大切です。
そのため姿勢が悪い事によって、声を出す時の舌骨の自然な動きを妨げているかもしれません。
どうですか。納得して頂けるでしょうか。
猫背や肩が内側に入っている人は、ストレッチなどで整えてみてください。
そして、胸を少し開いてあげると、舌骨が適切な位置になるだけでなく、胸の内側の筋肉と声帯が連動しているため、声帯が閉じやすく、結果として声が張りやすくなります。
改善トレーニングの紹介
姿勢だけで、劇的な改善は難しいかもしれません。
そこで、家でも大きな声を出さずに出来るエクササイズを紹介します。
ストローエクササイズ
これは、歌唱力アップにも役立ちます。
理想はカクテルストローが良いのですが、コンビニなどで貰うストローの場合は、少し噛んでストローの口を狭くします。
ストローをくわえ、鼻を塞ぎます。
ほっぺたを膨らますようにして、そのまま声を出します。
これは、声帯が働かざるをえない状況をつくります。
救急車のサイレンのように『ウ〜』と音程を動かします。
地声でやったら、裏声でもやってみてください。
その時に、声がガラガラする場合は息の量が多いです。
また、耳が変な感じになる場合は、無理にやらないでください。喉の位置を少し低く出来る人は低くすると耳の変な感じが改善出来るかもしれません。
ストローがない場合
子音の『F』と『V』の中間、もしくは極端に唇をすぼませて、ストローをくわえているような状態を作って行なってください。
サイレンのような音の動きで高さを変えるのは、声帯の閉じる力だけではない柔軟性を高めてくれるので、喋りやすさも改善されます。
このエクササイズをやった後に、普通に喋るとかなり効果を感じると思います。
子音を使った発声練習
これは、声帯の働きを促す事と、舌の位置を適切にする事を狙った練習です。
以下の子音と母音の組み合わせをそれぞれ連続で言い続けてみてください。
取り組む順番は、言いやすいものからで良いと思います。
全ての種類を偏りなく取り組むと声が適切な働きをしやすくやります。
『ガガガガ』
『ゴゴゴゴ』
『ケイケイケイ』
『ネイネイネイ』
『ゲイゲイゲイ』
以下は、親指をかんで、顎の動きを一定にさせて、舌だけを動かすようにしてください。
『エアエアエア』
余裕があれば、高さを色々変えるとより良いです。
『ドミソミド』と音階をつけてみても良いです。
子音を使った刺激練習は大きな声で行う必要はなく、喋り声くらいの大きさがちょうどいいです。
毎日、2-3分で良いと思います。お風呂に入ったり、家事をしながらでも良いです。
また、お仕事で声を使う方は、お仕事前に(人がいないところでどうぞ笑)ちょっとやるだけでも全然違います。
ストローエクササイズとも組み合わせて、ぜひ試してみてください。
自己判断が危険なことも
ボイストレーナーは医療行為は行いませんが、音声を聴いてどんな症状か判断できることが多くあります。
当スクールの生徒さんの中でも場合によって医療機関を紹介することがあります。
それによって実際に治療で声が改善され、その上でボイトレで壊しにくい安定した声を手に入れることに繋がりました。
医療機関に行って何も問題が無いと言われたけど、自分では気になる、という場合はボイストレーニングが効果を発揮する可能性が高いです。
正しいボイストレーニングは、声の運動機能を高めます。
声に不自由さを感じる方へのトレーニングは、私が10代の頃に誤ったトレーニングを受けて発声障害となり、かつ正しいトレーニングによって克服した経験からの思いもあり、ボイストレーナーとして力を入れている分野でもあります。
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